エニアグラム あなたを知る9つのタイプ【基礎編】

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エニアグラム あなたを知る9つのタイプ【基礎編】

 

 

 

 

今回は、エニアグラムを勉強する上で一番役に立った本をご紹介。

 

「あなたを知る9つのタイプ」!

 

あなたを知る9つのタイプ【基礎編】

ドン・リチャード リソ , ラス ハドソン 著

 

 

 

 

 

 

あくまで個人的な意見にはなりますが……和訳本独特の珍妙な言い回しにさえ気をつければ、エニアグラムを理解するという意味では最強の本なのではないでしょうか?

 

 

というのも、【基礎編】の名前通り、この本ではエニアグラムの基本的な事から詳しく書かれているのですね。

 

 

 

文法も視点も、書いている内容も日本人向きとはいいがたいですが……それでも、客観的な視点で詳しくエニアグラムについて論じられているので、一見の価値ありです。

 

 

 

 

理解を深めるならこの上ない存在!

 

 

 

自分のタイプを判別するにしろ他人をタイプ事で区分けして考えるにしろ……やはり造詣がある程度深くなければ難しいでしょう。

 

そういったときに役に立つのが、こういったエニアグラムを述べた書籍なわけですが……本書はエニアグラムの基礎をまとめた本の中でも知識、内容の濃さはトップクラス

 

 

エニアグラムとは何ぞやという話から各タイプの紹介はもちろん、別の書物では簡単解説に留めている3つのセンターやタイプ事の本質、健全度による違いなど……特に「簡潔さと心での理解しやすさ」を重視するあまり日本では飛ばされがちな要素にまで深く言及されています。

 

 

したがって、とにかくエニアグラムについての造詣を深めたいとか、これから本格的に学ぶ足掛かりにしたいとか……そういった人たちに対して迷わずおススメできる本格派の書籍と言えるでしょう。

 

 

 

そのぶん、経験論や他人へのあてはめやすさ、悪く言うならレッテル貼りの容易さなど……特に日本人が好む部分は意外と少ないかもしれん。

 

本気で自分探しを考えていたり、本当の意味でエニアグラムを人生観に組み込みたい人向けだな


 

 

 

 

 

 

特に目を引くのが、タイプ別の健全度による変化。

 

 

 

まず健全度別の変化。これは日本書籍では特にザックリとしか書かれていない分野であり、タイプごとの長短の記述から手探りで見つけていくしか無いのが現状です。

 

 

しかし、本書におけるタイプ別解説では、健全度による違いを簡易ながらも表にして解説。ザックリしたものではありますが、それでもだいたいの傾向を調べる上で困ることはないでしょう。

 

そして、そんな健全度による違いや、ストレス下の反応と統合後の姿を加味した上でのアドバイスも、やはり的確な物でした。

 

 

 

さすがに人間すべてが書かれている通りピッタリの人間であることはありませんが……自分が属するタイプを割り出して性格にだいたいの目星をつけ、大まかな長短を洗い出すには十分な物であると言えます。

 

 

 

もっとも、それも自分をどこまで客観視できるか次第という点もありますが……

 

 

エニアグラムは、あくまで性格の大まかな枠組みを調べるためのもの。例えばその人がタイプ6だからと言って全員が強者に媚びて排他的思考を共有しているわけではありませんし、タイプ7には自己中心的な快楽主義者しかいないわけではありません。

 

 

あくまで人の性格を客観視した時にザックリと分けて9タイプに区分され、自身のタイプに関しても「その傾向が強い」程度の物である。

 

 

どの性格診断もその人の性格をピッタリと100%当てられるものなどありませんし、こういった性格分析も然り。エニアグラムも例外ではないのです。

 

 

ネックは翻訳文独特の表現か

 

 

 

さて、続けてネックとなる部分ですが……やはり元々が海外書籍であるため、言い回しが独特な点が1番の難関でしょう。

 

書かれている事自体はわかりやすくて難しいところなどないのですが、引っかかる部分があるならその文章。

 

 

 

日本と海外では好まれる説明方法や比喩表現がまるで異なります。

 

 

よって、その辺のカルチャーギャップというか、違和感というか……気になる人にとっては、やはり壁になってしまう部分かもしれません。

 

 

 

特に日本語の表現が綺麗でないといろいろ引っかかってしまう人、わかりやすい文字でないと嫌という人には鬼門。

 

詩的なのか理屈っぽいのかよくわからない回りくどい文法や翻訳文ならではの若干電波気味の表現は、読む人によっては苦痛ですらあるかもしれません。

 

 

 

……まあもっとも、まわりくどい性格で近所でも指摘を受けている私の文章を何気なく読めるのならば、この辺の欠点は気にならないでしょう。

 

そう考えると、あまり深く考える必要は無い……のかな?

 

 

 

それと、これはこういった性格分析全体に言えることなのですが……

 

 

100%的確に性格を当てはめることはできないというのは、やはりこういった本を読む上で心掛けていただきたいところ。

 

 

 

冷静に考えてみればわかる事ですが、世界に何十億と住む人々の性格をたった9タイプ(ウイング含めても18~27)にキッチリ完璧に区分けされるなど、普通に考えて有り得ません。

 

 

あくまで自身の傾向や大まかな区分けを示すものであり、それを前提として読まなければ、おそらく自分や他人のタイプを見つけ出せないままずっと悩み続け、最終的に「エニアグラムは大嘘」という結論にすがらざるを得なくなるでしょう。

 

 

あくまで自分を客観的に見据え、その上で出た大まかな傾向がそれである事は常に留意せねばなりません。

 

 

 

そして、最後にもう一つ。

 

 

タイプに優劣をつけて語るのは御法度!!

 

 

 

この辺はついついやってしまいがちなのですが……例えば「タイプ8って自己中なだけのクソだよね」みたいな奴ですね。

 

 

エニアグラム界隈では、よくタイプ3、5、7辺りを神聖視したりタイプ2、8を劣等種の愚物であるかのように語る人を見かけるのですが……んなわきゃない

 

 

確かに実社会での成功率を見ればタイプ3、7、8辺りは有利でタイプ4は苦労する……などの予測はつきますし、好きかどうかでいえばダントツでたいぷ2、8は槍玉に挙げられます。また、常識という物差しで測れば、そこから離れないたいぷ3、6、9は優等生でしょう。

 

 

 

……が、問題はそれが本当に絶対的に正しい意見なのかどうか。

 

ちょっと脱線しますが、社会とはそもそも、人の意思で作られるものです。

 

 

 

意思=主観。つまり、そもそも物差しでタイプの優劣を測ろうという考えが芽生えた時点で、それは主観的な観点に他ならないのです。

 

 

タイプ1は口うるさい委員長様。タイプ2は恩着せがましく厚かましい。タイプ3は厚顔無恥だし、タイプ4は珍妙なはぐれ者。タイプ5もおおよそ気の狂ったような偏屈な変人で、タイプ6は卑屈で強者につく卑怯者。タイプ7は後先も迷惑も考えない自己中であれば、タイプ8などはさらに自己中を突き詰めたチンピラ。タイプ9は自分はない。

 

 

こんな感じに、どのタイプも悪く言おうとしたら言えますし、主観的に見ればどのタイプも極悪非道になり得るのです。

 

 

そんなわけで、社会的な成功みたいな結果論が大きな意味を持たないこういう性格的考察の場では、善悪や優劣の決めつけは意味をなさないのは知っておいた方がいいでしょう。

 

 

 

とりあえず……

 

 

 

総評:応用編はよ

 

 

 

実はこの本は2001年に発売され、続編として応用編も出ると言われていますが……すでに15年以上が経過した今も、その姿を拝むことができません。

 

 

 

惜しい、何とも惜しい!!

 

 

本当にエニアグラムを知る上では有用な書物であるだけに、応用編の発売が絶望的であることが悔やまれます。

 

 

 

何がともあれ、専門知識いらずの本の中ではかなり突っ込んだ内容も書かれており、本当に詳しい情報が満載です。

 

 

エニアグラムに興味があるのならば、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

あなたを知る9つのタイプ【基礎編】

ドン・リチャード リソ , ラス ハドソン 著

 

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