エニアグラムを使う上での注意点
当サイトでもっとも大きな玄関口であるエニアグラム。日々いろんな方にご覧いただいている分野ですが……だからこそ、ちょっと今回は注意点というか、やってしまうとヤバい事をさらっと書き記していきます。
1.妄信しない
最初から書いてある内容を全否定するようなことを言いますが……当サイトに限らず、エニアグラムのような性格分類について書かれている内容は話のタネ程度に考えておきましょう。
そもそも人間が限られた型にある通りの性格にキッチリ当てはまるなんてありえない話ですし、同じタイプの人の中には、明らかに説明とは異なる性格の人もいます。
プロでも間違うことが少なくない分野に関する説明を、当サイトでは本を読んで得た知識の横流しで説明しているので……本当に話半分として捉えてしまうのが正解かもしれませんね。
当然、極力正確な理解と誤解のないような解説は心掛けていますが、それでも間違いが無いとは言い切れません。
万が一、公式の書籍と当サイトで書かれている内容が食い違っていたら、ほぼ間違いなく公式書籍のほうが正しいと思っていただいたほうがいいでしょう。
2.決めつけない
自分や他人のタイプを理解したり推測することは公式で推奨する人も少なからずおり、当サイトでも試しに推測してタイプに応じた対応をすることは対人関係を改善する方法のひとつとしては悪いものではないと考えています。
しかし、推察する上で特に気を付けていただきたいのは、決して「こうだ」と決めつけないこと。
例えば日本社会では、プロによって診断された結果は、4割~6割ほどがタイプ6.しかしどうやらネットの自己診断ではタイプ4とタイプ5が圧倒的に多いようで、この時点ですでに大きな差異が発生しています。
当ブログで90問式のエニアグラム診断は設けており、信頼できる書籍の診断項目を参考にした設問をしていますが……やはり確実とはとても言えません。
自己診断の結果を真に受けすぎて、「自分はこのタイプだ」と完全に言い切ってしまわないようにしましょう。
本当は別のタイプなのに、診断結果を信じすぎたせいで性格をそのタイプに引っ張られ、どんどん豹変していく……聞くだけならなかなかファンタジーな話ですが、実際にこう言う事もあるのです。
他人に対しても……
一方、他人のタイプを推察するときも同じことが言えますね。
例えば些細な所作から「あの人はタイプ1かな?」みたいに自分なりの憶測を立て、その人がタイプ1であると仮定したうえでどう接するか考える……みたいなのがエニアグラムでの他人のタイプ推測の一連になるのですが……
……うん、これが正確であるというケースはあまりないのです。つまり、ほとんどの場合推測はちょっとズレた形になる。ウイングまで当てようとするなら、より一層注意が必要になります。
やはりエニアグラムを他人に対してきちんと使おうとすると、以下のような要素が必要不可欠になるわけですね。
1.相手をよく知るまでの時間
2.エニアグラムの可能な限り正確な知識
少なくとも滅茶苦茶な知識でタイプを言い当てたところで何とも言えない答えになってしまうのは明白ですし、相手を知りもしないのに断片的な癖だけで判断するのも早計。
相手のエニアグラムタイプを推察するのはいいですが、それを確定情報として相手やSNSに述べたり「絶対このタイプだ!」と決めつけてしまったり……こういう使い方をしてしまうと、逆に相手との関係がこじれる種になるかもしれません。
3.偏見を持たない
ネット上でけっこうはびこってる偏見の代表例としては、「タイプ2はつまらない偽善者」「タイプ8は横暴なチンピラ」みたいなニュアンスのものでしょうか。
特に、「タイプ8 怖い」の検索ワードはもはやタイプ8を語る上での代表的な言葉になってる感が否めません。
確かにタイプ2の偽善者やクソみたいな性格をしてるタイプ8も世の中にはいますが、そもそもそんなしょーもない奴、どのタイプにも一定数存在します。なにも、タイプ2やタイプ8のような各タイプに限った話ではないわけですね。
あまりに偏見で物事を語りすぎる場合、やはり最後に行きつくのはエニアグラムのタイプ差別。
一時期、血液型占いでやれ「B型は自分勝手なゴミしかいない」だ「A型は偏見を持つカスしかいない」だと問題になり、ブラハラなんて言葉が生まれましたが……偏見と勝手な思い込みで他のタイプをひとくくりに見てしまうと、やはり同じ轍を踏む羽目になるのはまず間違いないでしょう。
間違っても、エニハラ(エニアグラムハラスメント)なる言葉を我々の手で生み出すようなことになってはならないのです。
タイプ概要を見た時の好き嫌いは、あくまでただの好き嫌い。事の善悪とは無関係ですし、むしろタイプ別に良い悪いを分けてしまうことそのものが、やることとしては悪といって間違いありません。
くれぐれも、相手を性格が悪いだとかクズだとか、そんなことを認定するためにタイプ論を持ち出すことのないようにお願いします。