エニアグラムタイプ5:囚われは「ためこみ」

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囚われは「ためこみ」

 

 

タイプ5はズバリ、「調べる人」。

 

このタイプにとって、知識やそれに根差した聡明さは何よりも尊ぶべきものです。

 

 

そのため、自分も日々ひとりでいろいろ考え、自分の関心事や興味事をとことんまで追求し用という姿勢を崩しません。そして、それがいつしか物事の真理や達人の域に達することも……

 

 

とまあ、一見すると物静かな自由人なタイプ5ですが、その下には思考型の特徴である「不安」が渦巻いています。

 

 

 

 

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役立つ物はなんでも使おう!

 

 

 

 

タイプ5の「自分の考えを深めたい」という考え方は、根源的には不安に通じるところがあります。

 

 

このタイプは往々にして、一芸を極めたスペシャリストか何でも知っている参謀格として世間に君臨しがちなのですが……なぜそうなるのかというと、「自分はこの世界で生き残れないゴミみたいな人間なのでは」と密かに感じているからなのですね。

 

 

そのため、常に不安を抱えて頭の中はいっぱいいっぱい。かといってタイプ6のように拠り所を求めることもなく……

 

 

そんなわけで、タイプ5が不安解消の拠り所にするのは自分自身。

 

だから、ゴミ扱いされないよう一番わかりやすい「知識」の提供者になろう、周りから攻撃されても逃げ込めば安全地帯となれる心のよりどころを作ろう。この考え方が、タイプ5の「オタク思想」に通じるというわけですね。

 

 

 

 

さて、そんな「不安は自己解決!」な感じのタイプ5ですが……そんな自己解決型だからこその「囚われ」を持っています。それが、ためこみ

 

 

「自分が少しでもレベルアップしなければ世間から身を守れない」「人のために時間や力を使っていては、いずれ人によって不安に備えるための時間を奪われてしまう」。

 

とまあ、こういった考えを持っているため、基本的に自分が持っている資源(時間やエネルギーなど)は出来る限り独り占めし、それらを不安解消に向けて使う方向に物事を考えるようになりがちです。

 

 

そのため他人との奪い合いになりがちな物欲は基本的に持たないものの、自分の邪魔をされたり必要以上にベッタリされたりすると「自分の大事な時間を奪われた」と見て怒りをあらわにすることも……。

 

また、そもそも人をあまり信用しないタイプでもあるので、他者を外敵と見て身構えることも多いようです。

 

 

とにかく「自分一人が」「自分だけが」と物事に対して身構えることが多いので、他人をアテにすること自体ほとんど無いわけですね。

 

 

 

 

こうした姿勢が、時として人を遠ざけ、自分一人の世界に閉じこもってしまう要因になることも……。

 

そして、閉じこもっている間にたまっていった無力感はやり場のないマイナス感情となって現れることも多いです。皮肉や他人の理論、知性にケチをつけてみたり、人間不信のあまり妄想的な思考しかできなくなったり……。

 

 

 

とにかく、辛いからと言って自分の世界に引きこもってしまうのは基本的にNG。

 

信用できる人を作りましょう。どのみち一人だけの力では、物事を推し進めるのに限界があります。

 

 

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健全度による違い

 

 

 

レベル1 孤立感と完全におさらばした姿。「世間で生きていける程度には有能でありたい」という根源的な願いが成就されているため、行動するにも積極的で不安がない。

 

同時に頭の中もクリアで明晰になり、洞察力と他者への思いやりを持つ。

レベル2 「やっていけるかどうか不安」という根源的な恐れと真っ向から向き合い、完全に打破するのも時間の問題。

 

「有能」「知性」「独立心」という自己イメージを強く抱き、周囲もしっかり観察して焦点をしっかり合わせる。

レベル3 自己有能化のためのツールに熟達せんと邁進中。しかし、他者との競争や激突は望まず、あくまで自分にしっくりくる形や新しい価値に焦点を向けている。

 

持ち前の集中力や分析力を生かし、既存のツールをとことん解明。その結果、独創的な世界観や新しい価値観が生まれることも少なくない。

レベル4

多くの知識やノウハウを収集し、実践することで自己能力の拡張を望む。

 

ただし根源には「自分が生きていくにはまだ足りないのでは」とも考えているため、基本的に自信がない。また、この頃から自身のない者を避けて自身の中の安住の地へ引きこもることも多くなる。

レベル5 秘密主義、個人主義的な人物で、他者との折衝を避けるために自身の欲望を出来る限り削っていく。

 

他人によって自分を潰されることが怖い。そのため、基本的には静かに知的活動へと自身の版図を広げることが多い。

レベル6 「他人による自身の中への侵攻」への恐怖が止まらなくなり、人に対して完全に拒絶的になる。また、自分が不安にさいなまれているため、落ち着き払っている人を見ると嫉妬を含めた悪感情を抱くことも多くなってくる。

 

とりあえず異論を唱えて論破することを喜びとし、独自の考えを理解しない人間を軽蔑し、孤立を深めていく。

レベル7 徹底した孤立主義。世界に自分の居場所はない。

 

外の世界のすべてとの交信をシャットアウトし、自己世界の中に退却していく。しかしその世界は、自分がもっとも恐れていた空虚への入り口に他ならない。結局、根本的な解決はしない。

レベル8 自分はこの世界では何ともちっぽけで無力な存在。結局やれることなんて何もない。そんな考えばかりが頭をよぎる。

 

世の中のすべてが凶兆。自分を助けようとする者も裏では敵だと認識している。事実はどうあれ、頭の中ではそうとしか考えられない。だからこそ助けという助けをすべて拒絶し、悪夢と空虚の世界に引きこもる。

レベル9 はい終わり。人生詰んだ。結局、世界には痛みと苦痛しかないし、それから逃れる手立てなんてどこにもありはしない。

 

残された手段と言えば、現実逃避だけ。この際違法行為でも構わないから、とにかく現実から逃れて痛みから逃れようとする。先に待っているのは精神病患者としての生活か、自殺か、先の無いその場限りの生き方か。いずれにせよ、行きつく先は自身の破滅ただ一つ。

 

 

 

他者を当てにしない。昨今ではそれを美徳とする風潮もあるようですが……それが行き過ぎた場合どうなるかは、タイプ5の不健全状態がよく体現しています。

 

信じてもない思想や屁理屈を持ち込んで、理由なく相手を論破しようとするのも、だいたいタイプ5らしい側面なのかもしれません。

 

 

結局、人間は痛みや苦痛からは、立ち向かうにせよ何にせよいったんは逃れることくらいしかできません。その逃避先に信頼できる人がいなければ、結果として待っているのは人間不信、そしてとことん逃げ続けた先にあるのは破滅……と。

 

 

 

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「他人から距離を置こう」。この考えは、タイプ5にとっての危険信号です。

 

 

他人とのかかわりを捨てて自分の頭の中にどんどん入り込んでいくと、どんどん人生はハードモードに切り替わっていきます。

 

 

人と積極的にかかわる必要なんて欠片ほどもありませんが……とりあえず来る者くらいは拒まず、ひとまず話し合って見るとよいでしょう。

 

そして、合わない価値観にも寛容に。意外と、その人なりに考えて出された考え方なのかもしれませんよ。

 

 

 

頼れる人がいる事、そして困ったときはその人を頼る事。これが、タイプ5にとって死活と言える、「世を生きるための近道」なのかもしれませんね。


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