【与太話】MBTIのタイプとサイコパス
ちょっとした与太話。MBTIで調べてみると、しょっちゅう関連用語で出てくるのがサイコパスという単語。
まあおおよそ何を指してサイコパスと呼称しているのか察しはつきますが……サイコパスの定義からズレた感じ&個人的に面白いと思ったので、今回はそこのところを煮詰めていこうかと思います。
ぶっちゃけ本の内容とは関係ない、自分の知識を披露してどの程度か試す意味合いのほうが強い話題ですが、お付き合いいただけると幸いです。
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サイコパスとは
さて、MBTIのタイプとサイコパス云々を語る前に、まずはサイコパスの特徴や心理をザックリと記載します。
サイコパス、別名精神病質とは、端的に言ってしまえば「自分以外を等しく道具以下の存在としか思えない人たち」ですね。
特徴としては、表面上は非常に魅力的な人格者。「自分一人が得すれば、気持ちよければそれでいい」に精神面をガン振りしているので、自分というものがほとんどありません。
なので、デマカセや綺麗事をさも本気で信じているかのように演出でき、そこに良心の呵責もなし。そのため、一般的な犯罪者なんかよりも、その要因となった人物の側に多く、社会的には正義と見なされることも少なくありません。
意外と自信があったり、損得勘定が鋭く汚い面をまず見せようとしないため、人気やカリスマにあふれる人物にもなれるのですが……その内面はさっきも書いた通り。自分一人が幸せになれれば何人が犠牲になっても平気な顔でいられますし、協力者に感謝するなどもってのほか。
単純に犯罪者の側にならないのも「人を殺したり暴力を振るう楽しさと、そのせいで罪人に身を落とすリスクを天秤にかけた結果」でしかないのです。
当然、殺人の楽しさが勝れば快楽殺人犯にもなりますし、リスクなく他人をいたぶりたいと思えば集団いじめの主犯格にも平気でなります。その辺のクズと違って「しょうがない」と自分に言い訳を並べない辺りはある種潔いですが、他人に対しては欠片ほども思っていない反省を口にしたり同情を引いたりすることでしょう。
とまあ簡単に(というか随分とボロクソに)書きましたが……要するに思考回路としては以下の感じでしょうかね。
「他人なんて所詮は自分を引き立てる舞台装置に過ぎないんだから、どうなろうと知った事か。俺のために何人が犠牲になろうと責められるべき事ではない。ただまあ、お前らがうるさいからせいぜいそれっぽい小理屈くらいは並べといてやるよ」
サイコパスと言われやすいタイプ
実のところ、MBTIで「お前はサイコパスだ!」と謂れのない罵声を浴びせられるタイプは、案外一部に偏っています。
総じて多いのは超少数派・NTの皆さん(INTJ,INTP,ENTJ,ENTP)、次点でINFJといったところでしょうか。
それぞれ一般常識とは価値観の相違が発生しそうなタイプの最有力候補といった感じですが……やはり「世間やみんなと違う」存在を否定するために、サイコパスという言葉を持ち出している感じがします。。
おおよそ言えるのは、世間一般の言うサイコパスとは、単に頭のおかしい奴や自分たちの価値観と絶望的に異なる人間にほぼ無条件で張り付ける、最大限不名誉なレッテルくらいにとらえてしまってもいいかもしれませんね。
要は都合の悪いものを悪と断定したり叩けそうなものを叩いたりするための口実程度で、実際のところ深く考えてMBTIのタイプとサイコパスの関連性を叫んでいる人はそういないでしょう。
さて、これだけで今回の命題の答えにもなりますが……これだけではいささかおもしろくもありません。せっかくなので、上に挙げた5タイプとサイコパスの関連性をちょっと見ていきましょうか。
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INTJ:サイコパス認定度★★★
不名誉にサイコパス呼ばわりされる筆頭としては、やはりINTJがもっとも多いのではないでしょうか。
気質としても「人は人、自分は自分」という区分けをきっちりするタイプであり、まさに他者を気にせず我が道を行くタイプ。その過程で他人の邪魔をどれだけするかはその人の善性にもよりますが……自分の中に他人というものが基本存在しないという点においては、ある意味サイコパス的と言えるでしょう。
Ni持ちはかなり芯が強い人物の集まりなのですが……INTJはNiトップであり、それをうまく隠して周囲に愛嬌を振りまく機能が存在しないという素敵仕様。折れない、迎合しない、すぐ孤立するの三拍子そろった姿は、たしかに「退かぬ媚びぬ省みぬ」というサイコパス然とした姿勢にもつながるかもしれません。
「こっちのがよくね?」と思った事があれば、どれほど伝統ある行事や組織の心の拠り所になっている制度であっても否定的立場になるため、純粋に気分の良さだけで言えば都合の悪い存在にもなり得ます。
とはいえ、INTJはむき出しの異常性(というか特異性?)の割には意外と善良というか、意地汚い損得や周囲の蹴落としに興味を示しづらいのもまたひとつの顔。
手助けを求められたとき真っ先に考えるのは「今の自分にできるかどうか」であり、自分がやれると思った事ならば案外あっさり手を貸してくれるタイプでもあります。
何より、普通でない感じがあからさますぎて、サイコパスのような世渡り向いていないことが、決定的な違いかもしれませんね。
INTP:サイコパス認定度★★★
INTJとほぼワンツートップを飾るのが、INTP。彼らはスタンスはおおよそINTJと似通っており、あちらほど極端ではないものの、随所随所にある意味の自己中心性は出ています。
とはいえ、Tiで思考が内向きに隠れ、あまり露骨に悪人呼ばわりされないINTP。普通にしていればサイコパスと呼ばれることも滅多にないでしょう。そう、普通にしていれば。
推察するに、おそらくINTPがもっともサイコパスと呼ばれやすい所以は、「何を考えているのかわからない」というところ。
Tiによる自己流の思考哲学を軸にNeでやれそうな事や可能性を拡散していく姿は、まさしく手札の無限増殖。どれほど非常識やサイコパス的な発想であっても(やるかどうかは別として)「一応一つの可能性、選択肢としてキープしておく」といったスタンスと多すぎる情報量は、とても常識や普通の意見で相手にできるものではありません。
さらには極端に濃い&多い情報量をまとめきる機能は持ち合わせがなく、なかなかまとめきるのにも苦労します。
つまりどういうことかというと、「なんかよくわからん事から変な事からいろいろ話しているけど、結局理解できないし怖いからサイコパス確定だわ」と、こうなるわけですね。
もっとも、当人からすればあり得る話と取りえる行動を、感情を排除して洗いざらい話しているだけに過ぎず、他意などどこにもないわけですが……。
こちらも他人との違いが露骨すぎて、サイコパスと呼べる人は逆に少ないと言えるでしょう。
ENTP:サイコパス認定度★★★
ぶっちゃけINTが有名すぎて後塵を拝している感があるものの、ENTPもサイコパス呼ばわりから逃れられないカルマを背負っています。どうにも頭のいい人間=サイコパスという感じの印象は案外根強いようで、ENTPの機略に富んだ当意即妙なやり取りが、このセンサーに引っかかるみたいですね。
あと、他のNTよろしく……いや、下手をすると最も人と自分を区分けして考えられるタイプなのかもしれません。この高い独立性も、やはり共同体として生きる人たちからするとサイコパスに見えるのかも。
当人たちのイキイキして魅力的な第一印象や時々表面化するTiの冷徹さも、ネット上で散見されるサイコパスという単語に結び付くのかもしれません。やっぱり自分を殺す生き方をする人、そもそも自分を持たず他人に迎合することで社会になじんでいる人からすると、こういったNTの「我の強さ」は異常性ととらえられるのでしょう。
とはいえ、まあこれまたENTPに悪気はないわけで。他のNTともども「無理していい人っぽく振舞っても、本質と別人になってボロ出て失望されかねないし意味なくね?」くらいにしか考えていないと思ったほうがいいでしょう。悪気はないんです、本当。
ENTJ:サイコパス認定度★★☆
おおよそ理由は他のNTにも述べた通り。マイノリティゆえの特異性と建前軽視の精神から、やはり「こいつは媚びないし悪人だ!サイコパスだ!」となってしまうわけですね。
特にENTJの場合はTeトップでエネルギーが外向き。そのぶん圧が強く、強引な印象も受けます。この辺は他のタイプとは違い、腹黒よりも猟奇殺人系のサイコパスと勘違いされやすいのかも。
とはいえ、同じ勘違いといえば、サイコパスより単にクズ呼ばわりのほうが多いのかもしれませんね。正直、どっちがマシかといわれるとかなり判断が難しいですが……。
まあ何にせよ、負けん気が強く積極的でエネルギッシュ、堂々としている親分肌(Te)。そして常識ではなく本質を見るタイプ(Ni)なのがENTJ。ぶっちゃけ人に従って力を発揮するタイプで、表面上の細かい観察が得意なテンプレタイプの日本人とは真逆の存在であり、長所が欠片ほども見向きされないのもある意味仕方ない事なのかもしれませんね……
このタイプ、組織のトップに立つと本当強いんですよ。せめてそこだけは認めましょう。
INFJ:サイコパス認定度★★☆
NT以外でほぼ唯一サイコパス認定されやすい傾向にあるのが、INFJ。こちらもINTJと同じくNi主機能で、とにかく芯が強くなかなか折れ曲がらない一面を持っています。
Feも持ち合わせているので、自分の信念が完全に折れるかどうかの瀬戸際でもない限りは周囲もよく気にかけてくれるタイプなのですが、そんな人の好さもまた、「表面上魅力的」というサイコパス要素のセンサーにどうにも引っかかるようでして……
何よりだいたいのサイトで、主な有名人の中にヒトラーだの麻原彰晃だの、やけに濃いのがぶち込まれている事もあって、先入観から「会ったこともないし知らないけどとりあえず嫌い」という人の存在も推測できます。主にGoogleの予測変換で。
あと、地味にツンデレっぽい要素が多いので、その辺も勘違いされやすい要因になるのかな? NiとTiの2つは我の強さや芯の強さとも取れますし、INFJはその2つとも機能として持ってますので。ツンデレ候補最強枠がESTJというのはこの際置いておく
なんというか、N、特にNiは言語化、文章化に困る能力なんですよね。点と点が自分にもよくわからない突然のひらめきで線になって繋がる感じというか……。
そういう謎スキルが得意分野なのもあり、またIでなかなか自分を出さないのもあり、また変わり具合と妙な的確さがカルト的信望を集めやすいのもあり……当人の性格などでなく外面的な印象から、もしかするとサイコパス呼ばわりが来ているのかもしれません。
まとめ
MBTIのタイプからサイコパスが断定できるというのは、単なる勘違い。
結局どのタイプでもサイコパスはサイコパスなわけで、NTがどうとか、そういうのとは特に関連性はないのではないでしょうか。
というか、個人的には、単に「自分たちや常識とまったく異なった人間=異常=サイコパス」という、言葉にするとおかしいのに不思議と受け入れられてしまう方程式が見え隠れします。
そう見えるものと真実は違うし、見えるもの=真実だと信じていると、いずれ痛い目を見る、と。なんかちょっと命題からズレてるし無意味に教訓めいた纏め方をして、今回の与太話を〆とさせていただきます。