兵法三十六計の戦略思考-競合を出し抜く不戦必勝の知謀

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[書籍]兵法三十六計の戦略思考-競合を出し抜く不戦必勝の知謀

 

兵法三十六計の戦略思考-競合を出し抜く不戦必勝の知謀

カイハン・クリッペンドルフ 著

辻谷 一美 翻訳

 

 

 

三十六計をまとめるにあたってお世話になった書籍のひとつが、こちらですね。

 

兵法三十六計の戦略思考-競合を出し抜く不戦必勝の知謀。

 

 

この書籍、なんとアメリカ人の方がまとめたものを翻訳して日本に送り出したというちょっと変わった出自を持つ本でして……なんというか、やはり書き方というか表現は海外調の一風変わったものになっています。

 

今回は、こちらの書籍を紹介していきます。

 

 

 

 

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現代ビジネスへの具体的な応用ならピカイチ

 

 

 

まず最初にはっきりさせておくべきですが……この本を読む場合、現代にどう応用するかを意識するというつもりで手に取ったほうがいいでしょう。

 

というのも、特に力を入れている部分が、三十六計の計略そのものではなく、現代ビジネスや昨今の政治などにどう活かすかという側面にもかなり力を入れている書籍なので、あくまで三十六計そのものを勉強しようと思っていたのならば盛大な肩透かしを食らうことになるからですね。

 

反面、「兵法を今の時代に活かしてやる」という確固たる気持ちで読んでいけば、何かしら現状打破のヒントが得られるかもしれません。

 

 

この書籍の最大の目玉としては、それぞれの計略ごとに、ビジネスの場面で企業がとった応用戦略についても記載されているという一点に尽きます。

 

コカ・コーラとペプシの経営バトルとか、任天堂の取ったゲーム業界の独占戦略とか……意外と知っている会社の名前もバンバン出てくるので、案外堅苦しい印象が薄まるのも〇ですね。

 

 

まあ多少解釈が強引なところがあるのはこの手合のお約束ですが……それでも、戦争戦略である三十六計をビジネスの知識に昇華させて行く一助となる事は間違いありません。

 

 

当然、最後には戦争における実用例もしっかりと書かれています。ビジネスと戦争、両方の観点から共通点と違いを見つけてみるのも面白いかもしれませんね。

 

 

 

全体の流れとしては、
兵法解説→ビジネス応用例→戦争での実用例
となっている。

 

ちなみに三十六計解説の順番はてんでバラバラだから、そういう意味でも学術書としてはあまり期待しない方がいいかもしれんな


 

 

 

 

情報が疎らなのが問題か

 

 

 

一方、気になった点ですが……意外と情報がバラバラだったり散発的で、純粋な三十六計の解説本・過去の思想や戦略に触れるためのツールとしてはイマイチという点でしょうか。

 

言ってしまえば、この書籍はいわゆる「これで全部解明!」みたいな解説本や学術書としての三十六計ではなく……どちらかというと現代ビジネスへの活用や応用に主眼を置いており、三十六計そのものへの理解を深める点では他の書籍より少し難しいかもしれませんね。

 

 

少なくとも、「三十六計そのものについて知りたい!」という人からすると、情報量の多さの割にバッチリ解説されている場所はそう多くはないため、そこまで満足できるものかと言われるとどうにも……

 

特にビジネスへの活用・応用に関しては、かなり著者の自己解釈や強引な曲解もあり、目玉であるビジネスへの応用が、逆に三十六計への理解から遠ざけてしまっているのではと思われる点もありますね。

 

 

総じていえば、完全に戦争用の三十六計をビジネス世界に強引に適用させた一冊。戦争ではスパイや狡っからい手段もガンガン使っていくため、そのままやろうとすれば法に引っかかる部分も出てくるでしょう。この辺を考えると、ある意味仕方がないのかも……

 

 

とはいえ、ビジネス社会で相手を倒す、蹴落とすといった競合、競争の攻略法としては十分。否応なしに汚い事や非情な選択を迫られることも多く、そういった場面で持ち出す知識としては十分役に立ちます。

 

もっとも、ケースとしてはワンオンワンといったところですが……これは三十六計自体そういう書物のため致し方なしといったところ。

 

 

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総評:ライバルの息の根を止める攻略書

 

 

 

ズバリ、本書を上手く扱う方法としてはこれ! 純粋な兵法三十六計の解説書でもなく、顧客や部下を奮い立たせるための真正のビジネス書でもなく、ひとえに競争の場面において敵とどう戦っていくかに特化した1冊ですね。

 

まあもともと三十六計自体、戦ってる相手や同盟を汲んでる潜在敵国に仕掛ける計略の集大成のような物。これをビジネス世界に適用となると、どうあってもこういう書き方になるでしょう。

 

 

当然、争う必要がないならそれに越したことはないのですが、好戦的な輩や避けて通れない戦いというものに巻き込まれるのもまたこの社会です。

 

そういった気分の悪くなる難局から目を背けても痛い目を見るわけで、真正面から向き合う知恵と度胸もまた必要。三十六計からそのうちの知恵の部分を抽出した1冊があってもそれはそれでアリなのではないでしょうか。

 

 

基本は無視して避けて通り、それが無理なら戦う。三十六計は、戦う選択肢しか選べない時の立ち回りについて書かれています。それをさらに現代に落とし込んだものが、今回紹介した三十六計の戦略思考というわけです。

 

もし避けられない戦いに巻き込まれそうならば、選択肢のひとつとして考えてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

兵法三十六計の戦略思考-競合を出し抜く不戦必勝の知謀

カイハン・クリッペンドルフ 著

辻谷 一美 翻訳

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