エニアグラムタイプ9:退行と統合

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退行と統合

 

 

 

タイプ9は争いごとが嫌いで穏やかな人物が多いのが特徴。

 

タイプ8のような強烈さやタイプ1のような厳然たる基準も無く、一見すると大人しくて本能センターらしくないようにも思えますが……?

 

 

 

今回は、タイプ9の囚われである「自己軽視と怠惰」が強まったときにどうなってしまうのかを見ていきましょう。

 

 

 

 

 

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ストレスを感じるとタイプ6へ

 

 

 

もともと「争いがなくてささやかに暮らせるならば何でもいい」と気持ちの強いタイプ9は、戦いや冒険、不協和音を嫌います。

 

そのため、平穏に暮らすためには自我を最小限まで減らせばよいという結論に至ることが少なくないのです。

 

 

結果、タイプ9は受動的で周囲と足並みをそろえることに長け、周囲の不安やストレスを緩和してくれる緩衝材や受け皿として機能してくれます。

 

 

 

しかし、彼らもやはり人間。それも、本能を主体として動いているタイプです。基本的に人に合わせることで危険を回避しようというタイプなので、自分で考え自分で決めるのは大の苦手なわけですね。

 

なので、追いつめられたときのストレス発散方法も、他人を追い落とす類のものではなく、むしろ自分からその場を降りて自分の聖域に逃げる方法をよく使います。

 

 

これが、タイプ9が意固地になってしまう1番の要因ですね。

 

例えるなら、首を引っ込めた亀。決断、闘争、変化……こういう日常を壊してしまうような物に対しては、頑なに動かなくなることで抵抗の意を示します。

 

 

同時に、物事の優先度を度外視し、今やっている事への集中、形式やしきたりへの固執などがみられるようになるのです。

 

 

そして、信頼できると思った人の理想化や神格化。同時に理想通りの人かどうか疑念を持ち、その人が本当に自分の思う通りの人なのかをしばしば探るようになります。

 

平穏な生活という願いをかなえてくれる人物や人間関係を求め、試しては「この人は違う」と否定しての堂々巡りに陥ることもあるでしょう。

 

 

 

また、これまで蓄積したことへの怒りが爆発し、不平不満を垂れ流しながらもバッサリと関係を切ることができない中途半端な関係を多く抱えてしまい、ひどいときはやる気も減退し、文字通り怠惰に取りつかれていってしまうことも……

 

 

こういった姿は、まるでタイプ6のマイナス面の合わせ鏡。

 

あまりに強い負荷がかかりすぎると、自分も周りもビックリの強大な怒りとなって帰ってくるのです。

 

 

 

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統合:タイプ3へ

 

 

 

一方、健全さを得るにつれて、その特徴はタイプ3のものと近しい部分も出てきます。

 

このタイプはある意味健全さと自己評価やアイデンティティが直結していると言っても過言ではありません。そのためか、健全化が進むうえで自己評価の高いタイプ3に似たような特徴を持つようになってくるのです。

 

 

 

もともと「争いも嫌だし、他人にとりあえず合わせとこう」というある種の怠惰さは、自分で物事を決定するだけの自尊心や自信の無さに起因する部分も大きいです。

 

 

そのため、自信さえつけば、あとは「なんか人畜無害な目立たない奴」という立場から一変。自己成長や自己実現のために動き始め、能動的に行動をおこせるようになるのです。

 

 

 

 

また、自らのアイデンティティを確立することで、適度に自己主張ができるようになります。

 

極端な話、「使い捨ててやろう」ともくろむ外道からの要求や命令を真っ向から拒否したり、自分のやりたいことをしっかりと口に出来たり……

 

 

タイプ3に近いとはいえども、この辺りの自己主張と競争心は別物。タイプ9は健全なタイプ3と同じく、その辺りをしっかりと理解できているのです。

 

 

 

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統合への道

 

 

 

さて、続いては「じゃあどうすればいいのか」という点について見ていきましょうか。

 

純粋にタイプ3を真似ても、高慢になるばかり。

 

 

そんなわけで、何を実践すればよりよい人生になっていくのか、確認していきましょう。

 

 

 

・自身の本心を理解、表現すべし!

 

・決断、実行を心掛けてみるべし!

 

・自己賛美、自己成長!

 

 

 

 

まず、タイプ9は他人との軋轢や強い違和感を嫌い、それらを避けるために自身の本心や強い感情から目を背ける癖がついている場合がほとんどです。

 

これによって周囲はその場での恩恵をしっかり受けているからいいのですが……ここで問題になっているのは自分。

 

 

周囲の調和のために自分を踏み台にしているせいで、周囲も感謝もしなければ踏みつけて当然と思う部分も多い。つまり、自分が良かれと思って捨てた自我が、逆に首を絞める事にも繋がるわけですね。

 

 

特にタイプ9が避けたがるのが、怒りや本音。強烈な感情も自身の思っていることも、短期的に見れば自分たちの平穏を壊そうとしている異物でしかありません。

 

だからこそ排除したがるのですが……残念ながら、その短期スパンでの崩壊や変化は、避けているとより大きな波になって帰ってくる場合がほとんどなのです。

 

 

そのため、まずは自身の奥底をしっかりと見据え、それに気づくことが先決でしょう。

 

怒りを認め、自身の本音や本心を理解し、そして相手に伝えることも大事ですよ。

 

 

 

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そして、タイプ9にとっての鬼門になるのが、自分で決めて、自分で行動していくこと

 

基本的に人のために時間を使い、自分に対しては無頓着な人が多いタイプです。そのため、人に決めてもらい、人に優先順位も立ててもらって……というのが、本音を言うと理想。

 

 

しかし、それではあくまでその人の都合のための装置のような存在になってしまい、なかなか自分のための行動ができませんよね。

 

 

 

タイプ9は、もっと自分のために時間を使う事。こう書けばなんだか自己中になれと言っているような気がしますが……タイプ9がこう動くことは、最終的には関わってくれる人のためになることと言っても過言ではありません。

 

 

自分のために何が必要か考えて動くことは、実はけっこう難しい。他人を食いつぶして目先の利益を追うだけならば簡単ですが……自己成長や目標の選定や達成をいろいろ考えていくと、やはり難しいところや葛藤も出てくるでしょう。

 

 

 

まずは些細なところでも結構。例えば今日のToDoリストを作るとか、ご飯は何を食べようかとか……そういうのを、極力一人でやってみましょう。

 

そして優先順位をつけ、実際にそう動いてみる事!

 

 

慣れてくれば、今度は自己実現。自分が本当に必要としていることや物をしっかりと見据え、そのために何ができるのか考え、実際に動いてみましょう。

 

実を言うとこれが結構な鬼門で、時として眠気や面倒くささに襲われるかもしれません。

 

 

しかし、これらをやっていくことで、「なんか地味な踏み台人間」を脱却し、自身を強く持つにつながるのです。

 

 

 

とまあここまでくれば、もはやこんなしょーもないブログなど見なくても、自分がどんな人間でどうすべきか、したいのかが見えてくるはず。

 

 

 

命や存在に貴賤はありません。仮に人の尊厳の貴賤を主張する奴が居れば、そいつこそあなたが大事にする和を乱す人間です。容赦なく言えば、ロクデナシの糞レイシスト野郎です。

 

そんな奴らを追っ払い、自分の価値をしっかり見据え、尊重。そして自分の成長のために色々と自分でやっていった先に、あなたが欲していた本当の繋がり、本当の調和があるのです。

 

 

タイプ9は1説にはエニアグラムの頂点とも言われ、どのタイプに染まることもできる恐ろしい存在。ぜひともその力を、自分の理想のために役立ててください。


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