退行と統合
タイプ7が楽しい事しかしようとしないのは、人生の苦痛や悲嘆といった暗いものから逃れようとするためと言われています。
思考センターで物を感じ取るタイプは、基本的に未来の不安に焦点が当てられ、その漠然とした不安や恐怖に対抗する措置を身に着ける。タイプ7の場合は、その対抗措置が1種の逃避となるわけですね。
楽しく生きたい。エキサイティングでキラキラした人生を歩みたい。その姿勢は見ている多くの人たちを明るい気持ちにしていきますが……その裏に抱えているのが不安である以上、独力だけではどこかで必ずボロが出ます。
今回は、そんなボロが出た状態と、逆に巣食われたケースを両方見ていきましょう。
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ストレスを感じるとタイプ1に
健全であるほどどっしりして周囲をしっかり思いやり、逆に不健全になればなるほど軽薄で自己中心的になっていくというわかりやすいタイプ。
状態が不健全に近づけば近づくほど、タイプ7はいろんなことに飛びつき、そして中途半端なところで辞めてを繰り返すようになります。
同時に周囲との比較癖もあり、健全になれば比較結果などに動じない人物像になりますが、不健全になればなるほど、劣等感や自分より劣っていると思われる人物への見下しも激しくなっていきます。
そしてそんな状態が悪化していくと……最終的にタイプ1に近づいていきます。
もともとバカ騒ぎが好きなだけで本質的に頭のいいタイプなので、不健全になれば「自分に足りないのは自制と集中だ」と感じ、実際に自分の行動を抑圧し始めます。
その姿は、日本人的には一見美徳に見えるかもしれませんが……その裏で本人の健全さはゴリゴリと削られていっているのは間違いありません。
欲求不満をそのままにしておくのを良しとするのが、そもそも美徳であるわけがないのですね。
当然、溜まった欲求は内にくすぶっているわけですから、常にイライラや散漫な注意力との戦いになります。そしてどんどん性格も暗く、面倒な堅物に成り果てていくのです。
最終的には人の粗ばかりが目につき、上から目線でのお説教が多い人物にもなっていきます。
そうやって他人を攻撃して萎縮させ、傷つけることでしか欲求を紛らわすことができないからです。
どのタイプもそうですが、元来の良さを手放してしまった先には、「嫌な奴」としての人格しか残っていないのです。
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統合:タイプ5へ
不健全になれば生真面目になる一方、健全になっていくにつれて本当の意味での落ち着きを見せ始め、タイプ5のような片鱗を見せ始めます。
元々「あれも欲しい、これも欲しい」と様々な物を詰め込もうとするタイプ7ですが、その裏では頭を異常なまでに高速回転させていることが多いのです。
そのあたりの特徴がタイプ5と似通っているためか、健全な時の雰囲気は双方似たような性質を見せるのです。
頭の中がクリアになり驚異的な集中力を発揮、同時に価値観や考え方、物事の捉え方もどんどん深みを増していきます。
「ただやりたいことを詰め込むだけでは、本当に欲しいものは手に入らない」
これを真の意味で理解したタイプ7は、驚くほど知性溢れています。
自分が何をすればいいのかをはっきり理解し、心根では情熱を燃やしつつも冷静沈着。
不安でなく現実を見て、本当の意味で自由で人生を謳歌する姿こそが、タイプ7の本当の姿なのかもしれませんね。
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統合への道
さて、タイプ5に近づくと言ったところで、無理やり衝動を押さえつけていたのでは逆効果です。
タイプ5は物静かで一点集中を得意としていますが、いきなりそれを真似ても、元来の良さが打ち消されるだけなのですね。
さしあたって、意識すると効果的なのはこの辺りでしょうか。
・「今」を強く意識すべし!
・決めたことはやり通すべし!
・性急になるあまり周囲を振り回す事無かれ!
・マイナス感情ともしっかり向き合うべし!
タイプ7にとって、楽しいかどうかは死活問題。したがって、様々な事を同時に行うジェネラリストとしての才能は高いのですが、一度壁にぶち当たると、急にやる気をなくしてそのままやめてしまう事も少なくありません。
というのも、タイプ7は先を考え続けるあまり、今この場で何ができて何が必要かという点がおざなりになりやすい傾向があるのですね。
したがって、まずは本当にやりたいことを一つ選んで、それにとことん打ち込んでみる事。
これができるようになれば、驚くほど選択肢が広がり、物事もどんどんプラスに向かっていくことでしょう。
何より、最後までやり抜くことで得られる達成感は何にも代えがたい経験になります。こういうものの積み重ねで得られるものが、意外と自身を満たしてくれることも多いのです。
また、たまには静かに平凡な日常を楽しむ余裕を持つことも、健全化への一歩と言えるでしょう。
日々エキサイトな人生を送りたい願望が強いのがこのタイプの特徴にはなりますが……やはりそれだけだと、いつかすべてが物足りなく感じるようになってしまいます。
一方、一見して平凡すぎる日常やちょっとした喜びも、思いっきり意識して噛みしめることで意外なまでに大きな喜びをもたらしてくれるのです。
どれだけしょーもない事であっても、それがやりたいことなら全力を注いでみるといいでしょう。きっと、思いがけないほど楽しく充足したものになりますよ。
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そして、続けての注意点は対人関係。
もともと対人スキルは非常に高いタイプなのですが、如何せん自己主張と自我が強烈なため、他人を放置して自分の独壇場のようなコミュニケーションになってしまう事も少なくありません。
おそらくそのだいたいの原因が、「楽しいことを今すぐしたい!」という欲求に駆られての物なのではないかと思われます。
タイプ7は器用なタイプでもあるため、基本的になんでもできてしまう事が多いでしょう。そのため、自分についてこれない人を構わず置き去りにしたり、ある程度身に着けると習熟せずにやってることから離れてしまう傾向があるのです。
特に急ぎすぎたりペースが速かったりで、自分の思うがままでは脱落者も少なくないことでしょう。
まずはペースを落とし、ゆったりと構えてみることも覚えてみましょう。
あまりやりたくはないでしょうが、世の中には熟考してじっくり時間をかけたほうが、結果として決着も早く喜びが大きいようなことも少なくありません。
さしあたって……まずは迷走や座禅なんかはどうでしょうか。
ゆったりした環境で心を落ち着かせると、これまで見えてこなかった素朴な楽しさや、自分任意が必要なのかが見えてくるかもしれませんよ。
そして、やはりマイナス感情や暗い事実との向き合い。これもまた、タイプ7には鬼門であり必須の項目です。
というのも、こういったマイナス部分に気づくだけの察しの良さはあるのですが、それ故に痛ましいものであるのがわかってしまい、意図的に目を逸らすと……こういう、悪く言えば中途半端な対応をしてしまっているわけですね。
こういう生き方はうまく回っているうちはいいですが、どこかで躓くと絶望感が半端ないです。
もっとも、「そんなことあり得ない」と強気に言えてしまうのがタイプ7というひとたちであり、それが長所なのかもしれませんが……やはり、一度こういう嫌な部分もすべて見据え、それらをひっくるめたうえで肯定という結論を出したほうが気楽ではあります。
何より、悲しみとか絶望とか……そういうのをしっかりと味わった先にあるものも感慨深く、あなた自身の人生に深みを与えてくれるはずですよ。
どんどん深く、味わい深い人間になることで、タイプ7ある意味で最強の存在になり得るのです。