孫子の兵法の本質は、あくまで戦争の攻略本ですよ?

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孫子の兵法の本質は、あくまで戦争の攻略本ですよ?

 

 

最近、Google検索で孫子と入力すると出てくる検索候補、「孫子 本質」。

 

 

ぶっちゃけ、もうどうしようもないくらいぶっちゃけたことを言うと、孫子というのは兵法書。言うなれば、人をブチ殺してブチ滅ぼすためにやる戦争の攻略本というのが孫子の本質。

 

残念ながら、話題が「どうすれば戦争に勝てるか」にすべて集約されますからね。そこに文学的な価値もないですし、当然ながら倫理も美学もありません。

 

 

どれほど汚かろうが何だろうが、最後に勝てればただそれでいい。それだけです。

 

 

これは他の中国式兵法書にも言えることで、とにかくどんな手段を使ってでも目的を達成することにすべてが集約されるのです。

 

 

 

 

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「兵は詭道なり」とか言ってる時点でお察し

 

 

 

戦いの場とは騙し合い。どれほど相手にこちらの隙や作戦を見せず、どう相手の隙をついて倒すか。そのためにひたすら隠し、ひたすら騙す。シンプルイズベスト。これが戦争における答えです。

 

要するに安全な手段で成果で結果を出してしまえば、バレない限りズルでも犯罪でも何でもアリなのです。何せ、今の次代と違い、倫理もへったくれもない戦争の時代の書物なので致し方なし。

 

 

中国の兵法書に武士道とか美学とかアートとか、そんなものは存在しません。ただ最小限の労力で最大限の利益を上げる。それを成し遂げるために、前準備をしっかりしろだの勢いを大事にしろだの主導権は離すなだのと、そういったことを並べているわけですね。

 

現代風にアレンジすることのない純粋な孫子兵法にならって現代社会を生きる術を身に着けたとて、それは乱世を生き抜く競争における完全なサバイバル合戦。学ぶべきところはありますが、とことん忠実にすると反動でどうしようもない嫌な奴になっていくだけです。

 

 

そんな嫌な奴にならない範囲で参考にするためにも、現代の教養本として出回っているものは若干ソフトに、倫理人道の道からあまりに外れすぎることが無いようアレンジされたものばかりが出回るわけです。

 

純粋に当時の歴史や戦争の価値観に思いを馳せるならばこちらなんかはうってつけですが……やはり現代社会でのサバイバルに活用したいなら、時代に合わせたアレンジが必要。

 

これがないと、本当に血で血を洗う、幸福というパイの奪い合いや潰し合いになってしまいますからね。

 

 

 

あれ? 現代社会はすでに似たようなものか?

 

・迷惑は人に押し付け、利益は一人で総なめ

 

・人の粗はとことん攻撃し、常に仲間と一緒に多人数VS1を展開することでさらに有利に

 

 

…………やべーよ、使える可能性ががが……


 

 

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孫子の言いたいポイント3つ

 

 

 

…………とはいえ、単にこんなやさぐれた意見を述べるだけでしめては、私以外の誰もがモヤモヤして終了してしまうというもの。

 

せっかくなので、孫子の言いたいことをさっくり、3つの要点にまとめてしまいましょう。

 

 

現代風に発想転換が必須とはいえ、多くの偉人が参考にしているのは確か。その戦略、戦術方針は以下の通りです。

 

 

 

 

1.消耗は下策

 

 

「兵は国家の大事なり」という最初にぶっこまれた言葉からわかる通り、孫子は相手との直接対決は推奨していません。

 

 

・基本原則にのっとり状況をつぶさに分析して、勝てそうなときに戦う

 

・まずは計略や外交など、戦う以外の道を模索してみる

 

 

という、必要以上に戦って無駄に戦力を消耗しない方策こそ最善だとしています。

 

 

「上兵は謀を伐つ」などと言いますが、まず戦う前にあるのは謀略です。敵の作戦を見抜いて潰し、手札を失わせて戦意をくじいてしまうのが最上。

 

次には相手の外交を無駄にして孤立させ、せめて戦うにしても野戦の場に引きずり出してからの勝利がまあ良し。攻城戦は損耗の大きな下策としていますね。

 

 

要するに、こういう不等式が成り立つわけですね。

 

 

心をへし折る>孤立させる>アウェーに引きずり出して戦う>直接攻撃

 

 

また、勝てない相手とは戦わず、勝てる相手にしても短期決戦を基本とするのも重要。損害を出す戦い方は、孫子では完全に非推奨です。

 

 

 

 

2.主導権は絶対手放さない

 

 

 

「善く戦う者は人に致して致されず」と。戦争の上手な将軍は、基本的に主導権はこちらが握ったまま戦争を展開します。相手に好き勝手させずにこちらが一方的に振り回すことで、明らかな有利を作り出すというわけですね。

 

このために特にものをいうのが、前準備と分析。

 

 

相手の戦力や戦略目標、作戦なんかをつぶさに研究し、こちらはそれに対抗策をおっかぶせる。

 

先に自分で流れを決め、そして相手への対策や戦争のシナリオを完成させてから戦いに臨む方が、断然勝率は上がります。

 

 

「勝兵はまず勝ちて後に戦い、敗兵はまず戦いて後に勝ちを求む」。つまり、高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に立ち回ろうなんて考えていれば、その時点で敗北は決定したも同然なのです。

 

 

 

 

3.結局勢いがモノをいう

 

 

分析の結果ここぞという時に出兵し、前準備で圧倒する。こうなれば後は、勝ち筋に向かって勢いよく突き進むだけです。

 

孫子には勢篇という、戦いの勢いに関する項目が独立して立てられていますが、それだけ勢いをつけて戦うのは大事なわけですね。

 

 

敵味方が入り乱れて戦う戦争では、個人の武勇は実はそこまで重要ではありません。むしろ大事なのは士気、勢いですね。

 

 

しっかり休んで鋭気を養い、ここぞというタイミングではみんなで一丸となって一気に勝ちに行く。

 

 

「善く戦う者は、勢に之を求めて、人に責めず」。つまり、人間一人一人の力量や能力よりも、集団で一気に流れを持っていくのが孫子の戦争の秘訣です。

 

 

このためには休息をしっかり取っていざという時に備え、またたるみ過ぎず、休む間もなく張り詰め過ぎず、そして何より規律とそれに喜んで従える環境が大事になるのですね。

 

 

 

 

つまり勝つべき時に勝てばいい

 

 

戦争のバイブルゆえに、他にも「略奪しろ」とか何とかおっかない事も書かれていますが……頭こそ使うものの、現代でも結構その気になれば使えます。

 

結論を言えば、「勝つべき時に全力を出せるようしっかりと準備や休息を忘れず、また負ける戦いや厳しい勝負は極力避ける」といった具合ですね。

 

 

上記の通り本質は戦争のバイブルであり、不意打ちや騙し討ち上等の血生臭い戦いの攻略法が書かれていますが、アレンジすれば学ぶところはなかなかに多いはずですよ。


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