三十六計:第三十三計 反間計(はんかんけい)

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三十六計:第三十三計 反間計(はんかんけい)

 

 

言葉の意味

 

 

反間の計

 

 

 

間という言葉は間諜、つまりスパイを指す言葉ですね。反間の計とは反対のスパイ、つまり敵のスパイを逆に利用する策略を意味します。

 

敵のものを利用して勝つ、敵のスパイを実は逆に騙していた、あるいは二重スパイとしてこちらに裏切らせていた……何とも難しそうで、それでいてロマンあふれる戦い方ですね。

 

 

おおよそうまく使いこなすには相当な知恵と運が必要ですが……完全な敗北をひっくり返すにはこれくらい難しい作戦が必要になってくるという事の証左でもあります。

 

 

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要するに……

 

 

疑中之疑 比之自内 不自失也

 

疑中の疑。之に比すること内自りすとは、自ら失わざるなり。

 

 

疑念に疑念を上掛けする。敵のものを使えばこちらはノーコスト、さらにはほぼノーリスクで物事を押し進めることができます

 

特にスパイなんかは敵がお金で雇った人たちだから、こちらが利用しようとする分にはほぼノーリスクというわけですね。

 

 

孫子兵法の用間篇にも「二重スパイ」のような意味合いで反間という言葉がありますが……おおよそあれと同じですね。

 

敵のスパイを逆用する方法として代表的な手段は2つ。

 

 

1.大金で釣り上げて二重スパイとして敵を探らせる

 

2.あえて偽の情報をバラして見当違いの報告をさせる

 

 

1はストレートでいいですね。金で雇ったスパイは味方の情報を知らないため足がつきづらく、戦争時代も重宝されていました。しかし、同時に「その場で雇っただけだから忠誠心がほとんどない」という欠点も持ち合わせています。

 

だからこそ、スパイに対して敵の金額をさらに上回る大金を握らせて敵の情報を買い取る……という方法も可能でした。

 

 

もう一方の2は、つまり偽情報の流布による敵の混乱、あるいは誘導を行う作戦です。

 

偽の目標を掲げたところであえて敵のスパイを見逃して情報収集をさせ、その後で本命に目標を変更する……みたいな感じですね。

 

裏切るはずもない人物を「裏切りそうで怖い」と告げてみたり、伏兵を置いた地点を指して「攻められたら怖いわー」と怯えてみたり……圧倒的不利をひっくり返す戦記物のお約束ですが、なかなかに胸躍るものがあります。

 

 

 

とはいえ、現代で運用するとなると、つまり産業スパイ前提の危ない話になってくるよな……

 

 

ま、応用の仕方としては、「敵に味方する存在の切り崩し」みたいな方法になるのかな?

 

例えばライバル企業のスポンサーを利益で釣って契約先を切り替えさせたり、やたらと特定グループを贔屓する奴になんか仕掛けたり(危険なので深くは言わない)……


 

 


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