三十六計:第二十計 混水模魚(こんすいぼぎょ)

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三十六計:第二十計 混水模魚(こんすいぼぎょ)

 

 

 

言葉の意味

 

 

水を混ぜて魚を摸る

 

 

魚を捕るには、まず水をかき混ぜて鈍らせる……。

 

例えば魚を捕る環境において、よく晴れた無風の日はあまり釣れないとされています。というのも、水が澄んで魚の視界もいいので、向こうからもこちらの様子がわかってしまうのがひとつの理由です。

 

そこで、水の底にある泥や砂をかき混ぜて水を濁らせ、視界をふさいでしまう。こうすることで、魚もこちらの存在が認識しづらくなります。

 

 

混水模魚は、そこから転じた作戦ですね。相手を混乱させて見通しどころではない状況に置いてしまえば、出し抜いての目標達成も容易になるのです。

 

 

 

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要するに……

 

 

 

乗其陰乱 利其弱而無主 髄 以向晦入宴息

 

其の陰乱に乗じ、其の弱くして主無きを利す。髄は、以って晦に向えば入りて宴息す。

 

 

後半は単なる書物引用ですが……要するに内部の混乱に乗じ、指揮系統の低下を利用して目標達成を目指すほうが、ライバルからの妨害は受けにくい……みたいな解釈ですね。

 

混乱したり理解が追い付かなかったり、勝手に納得したつもりでいたり……そんな状況下で新しい情報が入ってきたとして、それに的確な対応ができる人はまずいません。

 

だからこそ、戦争では敵を混乱させたり連携を突き崩すとあっさり勝ててしまうわけですね。

 

 

 

現代では似たような引用法として、専門用語のゴリ押しやあべこべな商品の組み合わせによる営業戦術なんかがそれっぽいでしょうか。

 

例えば専門用語ばかり並べられても「なんとなくこの人は詳しそう」くらいのことしかわかりませんし、その上で元来滅茶苦茶だとわかるはずの選択肢を提示されても、「面倒だしこの人詳しいし……」で言いなりになってしまうケースは多いです。

 

 

こういうことにならないためには、まず理解もできないまま相手の土俵で話を聞かないこと。営業……特に不当に高い商品や必要性の低そうなものを売りつける時にもっとも困るのが、顧客が冷静に話の全貌を理解してしまう事です。

 

これを防ぐために、営業の人から商品の全貌や自分にもわかるような説明を求めること。こうすることで、混水模魚の策にかかって不要な物を売りつけられる場面は大きく減るはずですよ。

 

 

 

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混乱すれば、必ず相手は隙を見せる

 

 

 

 

混乱した時にすぐさま冷静に戻って真っ当な判断が下せる人物は、世の中広しといえども限られています。だからこそ、混乱させたり内部分裂を引き起こさせることで、どれほどの巨大組織が相手でも案外あっさり突き崩すことができます。

 

基本的に中国式の兵法書は相手の自滅を助長したり不意打ちをかますような卑怯卑劣な策略が多いですが……それらは効果があるからこそ卑怯といわれるという一面も持ち、また強いからこそ卑怯でありながらも手放せない人が多いのです。

 

 

 

実際、敵組織の一派の買収や流言飛語、余計なちょっかいをかけての撹乱などなど……当時弱いとされていた人たちがのし上がるときには、少なからず相手の混乱と自滅を狙い、その隙に目的を達成しているものです。

 

 

最近では、民進党の自滅なんかは見事な崩れ方をしていましたね。

 

だいたい、大きな組織が崩れる時はあんな感じで、また内部分裂の中から大物や奸雄のような人物が出てくるのは歴史上よくあることです。

 

 

あまりに大きすぎて正面からでは勝てない集団に睨まれた時や、そんな連中と戦わざるを得なくなった時は……まずは内部分裂から狙ってみると、上手く行った時の見返りは大きいですね。

 

 

 


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