エニアグラムタイプ2:囚われは「プライド」

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囚われは「プライド」

 

 

 

タイプ2は無心に人を助け、その人の感謝を糧に生きるようなタイプ。

 

本当に典型的な「いい人」タイプで、多くの人の助けになろうと尽力し、良くも悪くも自身を後回しにして人を助けるような人物です。

 

 

……が、その裏に潜むのは「プライド」。意外かもしれませんが、人助けにかけるプライドが囚われとして、タイプ2が幸せになるのを邪魔することがあるのです。

 

 

 

 

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「あなたの中のかけがえのない私」

 

 

 

 

率直に言えば、タイプ2の求めるものは「相手にとっての特別な存在」である自分です。

 

 

 

よく勘違いされるのですが……タイプ2が人を助けているのは、後で数倍の利子を吹っ掛けて返してもらうためでも、貸しを相手にちらつかせて操るためでもありません。

 

少なくとも最初に願うのは、「人に必要とされたい」という一言です。

 

だからこそ、タイプ2の手助けやような行いに対し、お礼以上の対価を求めることは多くありません。

 

 

 

しかし同時に、「愛されたい」という欲求は人一倍。その人と関わっていたい、その人の関心を得たいという思いが、タイプ2の自己犠牲的な献身につながるというわけですね。

 

 

 

 

この傾向は最終的に一種のプライドを生んでしまい、「欠陥のある奴は愛されない」と自身を結論付け、そのまま自分らしさやマイナス感情をすべて封殺してしまう事もあるのです。

 

 

この妙なプライドこそがこのタイプの囚われですね。

 

 

 

自分のマイナスを表現しない「いい子」にとことんなり切ろうとするあまり自分の本心や感情を度外視し、水面下でどんどんストレスや不満を抱えていき、体調不良に陥るまで誰も気づかなかった……などという事も、このタイプの体験談としては珍しい物ではありません。

 

とにかく大事にされたい欲求からどこまでも人に尽くし、時に病的なまでの献身をしてしまう事もあるわけですね。

 

 

そして、もしどこまで尽くしても必要とされないとわかれば……これまでの優しさの裏で隠れていた、攻撃性が牙を剥きます。

 

簡単に言えば、どこまで相手のために尽くしてあげても相手は何も思わない=どうでもいいと思っていることに、突然無性に腹が立ってしまうわけですね。

 

 

こうなると相手が関心を向けるまで徹底的に攻撃し、なんとしても依存関係を構築してやろうと躍起になっていき、結果として双方共倒れになってしまう事も少なくないのです。

 

 

 

どれだけ恩を着せても「それくらい当然」と身勝手に搾取し続けるだけの鬼畜も世の中には大勢います。

 

人は人。自分は自分。まずは何より自分の感情や思いを大事に思うようにしましょう。恩義だけが人の在り方ではありませんし、鬼畜に使い捨てられるだけの人生ほどつまらなくてつらい物もそうあるものではありません。

 

 

 

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健全度による違い

 

 

 

レベル1 自分を大事に、いい意味で自分本位の考え方を得られる。同時に自分の思いをきちんと表現でき、ある程度自立した関係を相手と築けるようになる。

 

それと同時に人を慈しみ、期待や承認欲求を度外視した優しさを発揮でき、謙虚で恵み深い人格者としての地位を確立できる。

レベル2 愛情、思いやり、私心のない慈愛。この三本の柱を拠り所に人と接し、真に相手を思った気遣いや情愛を見せる。

 

人を慈しむ本物の聖人。

レベル3 生粋の「支援者」。人を支え、俗にいう「いい事」をして「私心なき慈善家」の自己イメージの強化を図る。

 

情緒豊かで、人と感情、才能などを分かち合うことで喜びを覚える人。

レベル4 人の喜ぶ姿や感謝が好きで、仲間を引き入れようと精力的に慈善活動をする。

 

まだまだ聖人クラスの人格者ではあるが「本当は必要とされていないのでは」という恐れをどこかで抱いており、それを払拭するために人と関わる側面も。

レベル5 ここから本格的に自己犠牲的な側面が見え始めてくる。人とのつながりにこだわるようになり、人によっては恩着せがましく思えるように。

 

また独占欲も強くなり、「相手は本当は別のところに行きたがってるんじゃないか」と心配になり、時としてそれが許せなくなる。

レベル6 この辺りから、自分のマイナス感情や傷の部分は封殺するようになる。同時に恩着せがましくもなり、離れようとする人を売った恩義で引き留めようとする。

 

また目に見えて攻撃的かつヒステリックにもなり、精神からくる身体異常にも悩まされ始める。

レベル7 内心「こんな自分からは人が離れていくんだろうな」と自覚するものの、それに耐えられず人格者としての自己イメージに固執する。

 

自分から離れていった面々を「身勝手な恩知らず」と思う事で何とか自我を保ち、自身の愛情の代償として周囲の同情を引き、依存関係を作ろうとする。

レベル8 「愛が足りないZE!」な状態。もはやなりふり構っていられる心理状態はとうに通り過ぎており、愛情欲しさに暴走暴発し、攻撃性と独占欲はいよいよ歯止めが利かない。

 

「苦労してきたんだから何でも手に入るのは当然」とばかりに周囲を巻き込み、皮肉にもあれほどほしかった「愛情」からはどんどんかけ離れて行ってしまう。

レベル9 元々見失いがちなアイデンティティは事ここに至ってとうとう崩壊。「自分勝手」を過剰なまでに封殺してきた結果、自分自身が最も嫌っていた自分勝手な人物に成り果ててしまう。

 

当然、当人にその感覚は耐えられるものでもなく、他人を巻き込んだ殉教劇の犠牲者ポジションとしてあり続けるようになる。

 

 

 

 

どのタイプにも言えますが、不健全になってしまえば、これまで自分が一番なりたくなかった人間にどんどん近づいてしまうというわけですね。

 

タイプ2の場合、特にこの辺りが顕著に出ています。要するに、不健全化した時のデメリットがとんでもなく強烈なんですね。

 

 

だからこそ、不健全化を「安寧=昨日までの日常を脅かす敵」と認識しがちで、かつ嫌いなものに対してはとことん冷たい日本人(だいたいタイプ6)にとって標的にされやすいのかなと思てみたり……

 

 

と、も、あ、れ。

 

 

 

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「相手から大事に思われたい!」「相手の興味を引きたい!」

 

 

こんな考えが強烈に出始めたら要注意です。

 

 

相手を……とか、相手が……とか。そう思い始めた時点で、そこに自分は介在していません。

 

 

相手に近づく前に、まずは自分の心の中を意識するようにしましょう

 

 

 

欠片も思いやりや同情を持たない奴は冷血漢もいいところですが、かといって入れ込み過ぎても、それはそれでつらいだけ。

 

自分と相手の線引きをしっかりすることが、タイプ2にとってもっとも重要な事です。


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