エニアグラムタイプ1:ウイングは9と2
タイプ1はガチガチの高潔な理想主義者……と言っても、その理想の高さと融通の利かなさはピンからキリまで。
とことん高い理想を持って自分も人もレベルアップしていきたい人もいれば、タイプ1らしくない柔軟性を持っている人まで色々いるのです。
エニアグラムでは、ウイングがタイプ9に強く向くほど理想主義的で冷静に、タイプ2に強く向くほどオープンで情緒的になっていきます。
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ウイング9:内向的な理想主義
タイプ1は平和をもたらすタイプ9のウイングを持つことで、より高潔でストイックな理想主義者になっていきます。
その反面、その態度はクールで哲学的。辛抱強さを必要とする長期戦略に長ける一方で、内向主義な性格もあって隠遁的。
一人で黙々と自分の信じる理想に向かって突き進んでいく、そんな超然とした傾向が、このタイプには多いです。
健全時:物静かな戦略家
タイプ1のウイング9は、冷静沈着で、少し浮世から離れて周囲を見渡しています。
高い理想こそ持ち合わせていますが、大衆によって生まれる熱狂から離れて一人でいることが多いのです。
しかし、別段お高く止まているというわけではなく、理想に対するストイックさとは裏腹にお堅い印象を与えにくいのが、健全なこのタイプの特徴でしょう。
お高く止まった雰囲気や堅苦しさは健全度によって上下しますが、こと健全なこのタイプは非常にとっつきやすく、愛情と思いやりのある対応を見せてくれるでしょう。
そんなウイング9の最大の武器は、驚異的な洞察力と長期計画を立案する上で必要な大局眼。
今ある物事をよりよく、より素晴らしくするために、問題を見つけ、時間をかけて解決するのに最も適した力を身に着けているわけですね。
通常時:理想は高く気高く
徹底した理想主義者。同時に、どこかお堅い印象を与えることも。
誰かを説得するときは、正当性よりもまず理想について語るでしょう。そして、その理想に共感してくれる人を好みます。
同時に、自身の理想をかなえるために必要なダーティワークも大嫌い。情報操作や謀略といった汚い手段には抵抗を示し、完璧なる理想のために綺麗な手段で邁進することを良しとしています。
また、タイプ1の囚われといれば「怒り」というものがありますが……これは非常に見つけにくい。
基本的に怒りを感じやすい反面、内包してどんどん溜め込むタイプなので、表面化した時には手遅れなケースも多いのがこのタイプの特徴です。
一応、皮肉やちょっとした文句、無駄な堅苦しさといった特徴はあるのですが……断定するには、ある程度の洞察力は必要になるでしょうね。
不健全が進むほどエリート意識から他人を見下す傾向が出始めるという特徴もあり、不健全に向かえば向かうほど軽蔑がひどくなる事もあります。
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ウイング2:擁護者
タイプ1のウイングが2に向かえば、高潔な理想と共に他者への共感性や優しさも表面に出るようになります。
このタイプは行動的で外交的。また頑固なだけでなく、相手の理屈に理解ができればすんなり考えを改める。正義のヒーローという表現は、おそらくこちらのウイングの方がふさわしいのではないでしょうか。
理想主義で利他主義志向。だけどちょっぴり怒りっぽい。そんな人たちです。
健全時:より良きものを目指す博愛主義者
理想主義と言えばウイング9の方がそれっぽいですが……こちらもタイプ1。「世の中をよりよく」という考えは少なからず持っているのが特徴です。
しかし、それ以上に他者への共感性と博愛主義的な精神、そして現実と向き合う強さを持ち合わせています。
明白に情熱的に現実をよりよくしようと働きかけ、必要に応じて政治的手段や他者の説得にも力を尽くすのが、健全なタイプ1ウイング2の強みです。
高次元の理想を語って「この通りになれよお前ら!」と一方的に押しつけるのではなく、実際にリアルな世界に足を踏み入れ、自ら能動的に、自身の意思で改革をもたらす。そんな押しの強さを、このタイプは持っているのです。
無味乾燥な夢物語を謳うだけでなく、よりアグレッシブに、より強固に外に出る。これが、タイプ1ウイング2の最大の特徴ですね。
通常時:外交的討論家
とにかく理想のために動き、人のために走り回るのが、このタイプ1ウイング2という人たち。自分の理想や理念のためにはアグレッシブに駆け回り、強く自分の意見を主張します。
ウイング9の側を内向的な理想家というなら、こちらはバリバリ外交派の理想家といったところ。理想や自分なりの信念のためには戦う事を厭わず、闘論にも積極的に参加します。
そのため、自然と政治や人間関係に長けた人物になっていき、良くも悪くも味方を作るのが得意で、敵に回すと非常に手強い存在になるでしょう。
一方、不健全に退行を始めるとイライラしはじめ、物事や他人の意見には否定的になります。気性が激しく、非常に攻撃的な人物になっていくわけですね。
また、囚われの「怒り」もイライラすればするほど強まりやすく、あからさまに批判的で他人の揚げ足を取る人間に退行していくことも。
なまじ我の強いタイプのため、不健全時の被害は大きくなりがち。タイプ8ほど我を通す事に力を注ぎませんが、周囲は本人がストレスを感じすぎないよう、ある程度の注意を払う必要があるでしょう。