エニアグラムタイプ1:退行と統合

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退行と統合

 

 

 

タイプ1は、何事においても潔白さと高い基準を求める厳格な人。

 

そのため、「自分に高い基準を求めすぎる」という癖とどう向き合うかで健全度は前後します。

 

 

要するに、自分に厳しすぎるせいで、その余波が人に向かってしまう事も多いわけですね。

 

完璧主義をどこまで捨て去るか。どれだけ自分への許容範囲を拡大することができるか。この辺りが、タイプ1にとっての命題になってきます。

 

 

 

 

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ストレスを感じればタイプ4へ

 

 

 

タイプ1の囚われは「怒り」。これはキレて暴走する……みたいなものでなく、心の奥底でどんどん蓄積されて燃え上がっていく憤怒のバロメーターのようなもの。

 

この怒りは当然人にも向けられますが、実は自分にも公正に向けられて行きます

 

 

 

これが重圧になって完璧や自分の正しさに固執し始めると、タイプ1の健全度はゴリゴリと削られていきます。

 

そして健全度がある場所まで下がってしまうと、正義や完璧という重荷から解放されることを望むようになるのです。

 

 

 

この「私はこんなに重荷を背負っているのに!」という思いと蓄積された怒りによって、タイプ1はタイプ4に近い特徴を示すようになるのです。

 

 

具体的には、気まぐれで現実が見えていないロマンチスト。思い込みが激しく、気分のムラが激しくなります。

 

 

「誰も自分を理解しようともしない」「自分一人が頑張ってるみたいで馬鹿馬鹿しくなる」

 

 

不健全化が進んだタイプ1の心中を表すと、おおよそこんなところでしょうか。

 

なまじ普段から完璧主義的でストイックに頑張っている分、その反動によってどんどん自己中心的で感情的、そして放縦的な人物になっていきます。

 

 

「これだけ頑張ってきたやつは他にはいないし、ちょっとぐらい許されるだろう」という思いが生まれ始め、自分で自分のルールを破り、そのくせ人が少しでもルール違反を犯せば激しく批難する……。

 

最悪のケースになれば、自殺、自傷はもちろん、放縦による健康や経済の破綻から殺人まで……自傷他傷問わず何をやってしまうかわからないのが恐ろしいところです。

 

 

 

普段から優等生で自己抑制的な人物は、何かの拍子に堕ちた時はどこまでも堕ちていく。その様子を体現しているのが、まさにタイプ1なのですね。

 

 

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統合:タイプ7へ

 

 

 

一方で楽しみとある種の落ち着きを覚え、成り行きに身を任せることを知ったタイプ1は、今度はタイプ7のような気質を見せ始めます。

 

 

「自分の考えが正しい」というある種の妄執を捨て去ったことで、自分にも他人にも寛容で、意外にもこれまで抑制していた好奇心が顔を出します。

 

 

 

とりわけ、興味の対象になりやすいのは持論や自説と全然違う、下手すると相容れないかもしれないような価値観

 

自分の知らない価値観を取り込むことで、より自分の人生や持論に深みや幅を増していこうと考えるわけですね。

 

 

結果、当人たちに一番足りていなかった「寛容さ」と「楽しむ心」を手に入れ、結論として「理想の世界」という願望を実現できるようになるのです。

 

元々自分の悪感情を出さない静かなタイプですが、その内側に激しい感情が渦巻くのがこのタイプ。しかし、自らの健全度が高まってタイプ7のような性質を見せていくにつれ、騒がしい心のうちまで静かになっていきます。

 

そうすることで本当の意味で余裕のある、自分もちゃっかり楽しみながらも人の立場にもしっかり立った人物になっていくのです。

 

 

 

何だかんだ、人生は自分が良しと思うのが一番ですからね。自身の気持ちのためにも、ぜひともあまり張り詰めて考えず、こういった静かで気楽な境地に向かって行っていただきたいところです。

 

 

 

 

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統合への道

 

 

 

さて、タイプ1が華麗に統合を遂げるために必要な心構えと言いますか、道しるべについて最後に書き記していこうと思います。

 

 

基本的に、心すべき点はこれら。

 

・自分に厳しい「自身の声」は、自分をより良くする絶対の存在ではない!

 

・自分の心の声は絶対ではない!

 

・自分の本音をしっかりと理解すべし!

 

・リラックスできる空間、弱音を吐ける場所や人!

 

・完璧でないことをしっかり知るべし!

 

 

 

総じて“自分の中の完璧を求める声”に導かれるタイプで、その声に足まで引っ張られる形になっているわけですね。

 

この「内なる声」にどういう対処をしていくかが、タイプ1にとって分かれ道になります。

 

 

タイプ1に語り掛けているこの声は、自分の中にある「キチンとしなければ」という得体のしれない義務感、やもすれば強迫観念ともいえる思念です。

 

 

それらの声は、まあ本心のうちの一つではあります。が、強迫観念というだけあって精神面をゴリゴリと削ってきます。

 

 

 

従うなとは言いません。それもある意味自分の声です。しかしその声を真に受けないことが一番です。

 

 

「すべき」「しなければならない」。それらの強い感情は、基本的にいい結果を生みません。というのも、そういった声はだいたいが苛烈すぎるのですね。

 

 

そんなルールを他人にぶつければ嫌われますし、自分に当てはめれば日常生活がつらくなるだけです。

 

 

 

「こうでなければならない」という義務感が湧いてきたら、一度踏み止まって、冷静に考え直しましょう

 

だいたいの声は、よくよく考えると厳しくてしんどいだけの一言のはずです。

 

 

 

あとは、頼れる先とリラックスできる環境ですね。

 

一人で背負い込んで気負い過ぎるタイプなので、適度な息抜きと弱みを見せる先が必要なのです。

 

 

「弱みを見せたら迷惑だからダメ」というのは、親しくない仲の人や人格的にアレな人にしか当てはまらない法則のはず。自分が信用できると思った人にはしっかり頼り、全員で協力して乗り切るようにしましょう。


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