エニアグラムタイプ3:囚われは「虚栄心」

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囚われは「虚栄心」

 

 

 

タイプ3は効率を求め、とことんまで成功に向けて突き進む成功者タイプ。

 

大企業においてのリーダー格として動いている人も多く、「企業に勤める者の鑑」として、見事に社会に適応し組織を押し上げるなくてはならない人材ですね。

 

 

 

そんなタイプ3の欠点ともいえるのが、「自分の無さ」。裏には「自分を見てほしい」欲求も根強くあり、「ありのままでは愛されない」と考えているからこそ、成功や美しさといったきらびやかな物に惹かれ、そうなるよう努力を繰り返すわけですね。

 

必然的に、そういう人たちは「虚栄心」という大きな囚われを抱えることになるわけです。

 

 

 

 

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評価されぬ無能に生きる価値なし

 

 

 

タイプ3が成功を追い求める有り様は、「人の世界は評価が全て」という考えから来た防衛本能の表れです。

 

多大な努力、第一印象の徹底的な強化、強者の生き方の真似、権謀術数、ときにいじめや情報操作……とにかくあらゆる手を使って、有能な自分を演出するための実績を作ろうとします。

 

 

貪欲なまでの成功志向の裏には、評価されなければ意味がないという価値観が強く根付いているわけですね。

 

 

 

タイプ3の健全さは、こういった無価値感からくる成功志向をバネに、評価の中から自分らしさを見つけ出し、それを拠り所として「最高峰のビジネスパーソン」へと向かう事によって培われていくのです。

 

 

 

 

では反面、健全さが損なわれると……?

 

 

 

タイプ1は義憤、タイプ2は依存という不健全さが出ていましたが、このタイプの場合は「虚栄」という形でこれが出ます。

 

 

「成功しないと、格好良くないと、美しくないと」。

 

まあこの辺りはタイプ3が何を見ているかで変わりますが……一概に言えるのは「志す分野で有力、有能でないと誰も自分を愛さない」という強迫観念が、不健全になるにつれて強くなっていくということ。

 

 

不健全なタイプ3は虚栄心から、嘘や手柄の横取り、一方的な情報操作によって邪魔者を蹴落とし、自分だけがが有能でいたがるのです。

 

そして最終目標にとことんまで執着し、体を壊しかねないほどの努力を繰り返して身を削っていきます。

 

 

 

また、そうなった時に広がる人間関係も利害のみ。使い捨ての装置、あるいは踏み台と言わんばかりに、次々とパートナーを乗り換えることもあるのです。

 

 

 

こうして無茶苦茶だろうと何だろうと成功を手に入れようとするのですが……その裏にあるのは、自分を見てほしい願望。

 

フィーリングタイプは「私をちゃんと見て」という欲求がキーワードになっていますが、そのド真ん中に位置するタイプ3にとって、このキーワードは死活問題。

 

 

注目を集めるために能力や外面を周囲にアピールしますが、その反面アピール部分しか見られないことを恐れるというジレンマに取り付かれてしまうのです。

 

 

 

 

 

 

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そして、ここまでやっても「人に見てもらうのは無理だ」と感じると、どん底のタイプ3を襲うのは無力感。

 

必死の努力も実らず「何をやっても無駄だ」と意気消沈。自分の世界に閉じこもってしまい、文字通り燃え尽きて灰になってしまうのです。

 

 

こうなると、成功を夢見て続けていたたゆまぬ努力も張っていた虚勢も、すべて無駄。本当の意味で打ち砕かれたタイプ3はもはや頑張る気力も無くし、極端に卑屈になってしまうのです。

 

 

 

やはり成功も大事ですが、大事なのは自分のハート。しっかりと自分の気持ちと向き合い、本当にやりたいことや自分の本音に蓋をしないようにしましょう。

 

無茶な成功イメージを捨ててしまってもついてきてくれる人こそが、あなたの本当に欲していた人物です

 

 

 

 

 

健全度による違い

 

 

 

レベル1 健全なこのタイプはシビアなビジネスパーソンでありながら、非常に慈悲深い。自分に正直で部外者の評判に左右されない。

 

自分の奥底にある本心とアイデンティティをしっかりと見据え、それらを認めたうえで周囲と連携し、心新たに成功へと向かう。

レベル2 成功者になるべく奮起する人。世間の価値、常識に重きを置いて、評価される分野での傑出を狙う。

 

「社会にうまく適応した有能な逸材」という自己イメージを確固とし、周囲を見事に牽引して突き進んでいく。

レベル3 まさしく社会人の鑑。同時にそうあることを強く願う。能力、自信、粘り強さの三拍子を兼ね備え、社会の模範として活躍する正統派。

人とのコミュニケーションを密にし、高い合理性とリーダーシップで周囲を引っ張っていく。

レベル4 人との差別化、ライバルに勝利という基本目標を掲げ、そのためにハードな環境で戦い続ける強力な戦士。

 

その活動の本音は、「負けたら誰も振り向いてくれない」。勝敗にこだわり手段は択ばず、時として周囲を欺く。

レベル5 圧倒的な野心と向上心によって、常に上を上を目指すハングリー精神の持ち主。

 

他人からの評価に依存しており、その野心的な行動の裏で自信はない。
人からの好意的評価、羨望を求めて日々努力を重ねるが、外面と効率を最重要視する性質上、真の友人を得ることができない欠点を持つ。

レベル6 虚栄心が如実に顔を出し、周囲を押しのけて高みを目指す。自信の無さは過剰な売り込みや大げさなアピールで誤魔化し、競争心を武器になりふり構わず戦い続ける。

 

ハリボテの自信や強者の風格もいよいよメッキがはがれ始めており、防衛手段として傲慢で他罰的になる。踏み台と敵はいるけど味方がいない。

レベル7 張ってきた虚勢も見せつけてきた成功している自分も全部無駄。周囲に与えるイメージも単なるハリボテ。そんな自己イメージが常に自我を脅かす。

 

興味関心を得るためになりふり構っていられなくなり、無節操に目立つことを言ったり嘘や滅茶苦茶な情報操作で自他を騙し、なんとか安寧を得ようとする。その内面は空虚で憂鬱。

レベル8 ゴテゴテに塗った金メッキがボロボロと剥がれていく。とにかく関心を得たいから何でもする。

 

壊れた自分を人に見られたくない。なのでデマカセやでっちあげを繰り返して必死にプラスイメージにしがみつき、してきた悪行や自身の弱みを隠すためには外道の所業すら厭わない。

レベル9 もはやメッキどころか自己像の姿もない。賞賛は欲しいし成功イメージも与えたいが、そのために出来ることは何もない。真っ白な灰。

 

自分をこんなにした物、そしてそれに追い打ちをかけてくる者を許せなくなり、場合によっては怒りを爆発させることも。逆恨みだろうが勘違いだろうが関係なく、自己をまだ追い詰める者、苦しめる者への後先考えない報復を行う可能性も……

 

 

 

 

とにかく、セルフイメージと周囲の評価がイコールになっているようなタイプですね。

 

一番健全なレベル1にまでなればそれらを手放すことはできますが(他タイプの「囚われ」も同様)、やはりその人格形成には密接に関係しているようですね。

 

ことさらこのタイプは周囲の態度や自分の立場に依存するので、社会から不要とされたときのショックは全タイプ中1番と言えるでしょう。

 

 

 

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「人から良く思われないとやっていけない!」

 

 

 

 

心からそう思い始めた時……これがタイプ3の危険信号です。

 

周囲によく思われようと無茶していませんか? 気に入られるかどうかという基準だけで行動や言動を選んでいませんか?

 

 

実社会では、そうしないと淘汰されることもあるかもしれません。が、それは本当に自分自身の思いでしょうか?

 

人は皆自分勝手です。評価など状況次第でコロコロ変わりますし、どいつもこいつも好き勝手言ってきます。

 

 

 

それよりも自分の心! 心だけは何をしても完全には消し去れませんし、社会に不要とされているものであっても、それ以前に人間らしく生きるためには不可欠です。

 

 

自分を大事にし、心に耳を傾けましょう。それでも大切にしてくれる人は大切にしてくれます。

 


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